昨年度、(社)日本補償コンサルタント協会関東支部の正式な下部組織として「東京都部会」(以下「部会」という。)が発足し、これを契機に昨年度の部会は、極めて意欲的な活動を展開して参りました。
  近年は「木造建物標準成果サンプル」の用地買収版と区画整理版を、昨年度は「非木造建物調査標準図面サンプル」を東京都の検証を受け完成発行し、講習会を開催いたしました。
このサンプルが成果品の精度向上に貢献できたことは、部会の成果とし喜びとするところです。また、東京都建設局用地部との意見交換が継続的に行え、長い間の課題でありました要望事項に対して、一定の成果を得ることができました。
  平成20年度は技術研修会を2回開催し、1回目は平成20年11月19日に調布市にある神代植物公園において樹木の技術研修会を行いました。(38名参加)
つもは会議室の中での研修ですが、緑囲まれた外での研修会も良いものでした。
物件調査で樹木は、地域や物件によってその数が多かれ少なかれはあるにせよ、必ずと言っていいほど存在し、非常に大切な単独補償項目として位置づけられております。樹種などによって補償内容が異なり、樹木名が誤っていると補償額に影響があります。
研修生の皆さんには「樹木を覚えるためには、もちろん現場での経験が大事ですが、一番大事なことは、生き物である樹木に興味を持つことであり、季節折々を通じての樹木の変化というものも覚えてくると楽しいものですよ、道を歩きながらでも樹木に関心を持つように心掛けてください」と伝えました。
  今回の技術研修会は東京学芸大学の犀川政稔教授に下見の準備段階から協力をして頂きました。研修で扱う樹木の選定、写真もひとつの樹木について全景、枝葉、樹と3枚撮影し研修テキストを作成しました。教授には当日樹木の専門的な観点からの説明もしていただき、研修生の皆さんに興味を持って頂けたと思います。
午後後半には樹木を見て、触って、調べて頂くグリーンアドベンチャーをしてもらいました。

  2回目は、平成21年2月20日に東京都方式による非木造建物調査標準図面サンプルの技術研修会を開催しました(81名参加)
東京都の非木造建物の発注は調査と積算が原則分離発注であり、最近、東京都仕様による積み上げ方式の積算が困難な調査成果品が見受けられ、積算業務に支障が発生している問題に対応するために、部会で標準的な非木造建物調査図面サンプルを作成し、事前に東京都建設局用地部の検証を受け完成したものであります。 この技術研修会により、今後の非木造建物調査成果品の統一化と精度向上に繋がるものと確信します。
  部会は、本年度も東京都を始めとした各種技術研修会を実施し、部会員が起業者の要請に充分に応えられるよう研鑽し、会員企業の資質の向上に努めて参ります。その他の活動として、独占禁止法遵守講習会を平成20年11月7日に(社)東京都測量設計業協会と合同で開催し、今後の業務受注にあたり、改めて法令遵守を徹底しました。
  また、部会員の活動内容の紹介、補償業務技術向上のための研修会の告知、起業者との意見交換会の内容などを公開するために、引き続きホームページの運営をして参りますのでご覧ください。ホームページアドレス (http://www.tokyo-kai.jp/) 部会は、本年度も東京都関連の補償コンサルタント業務の専門家集団として、資質の向上と自覚をより一層強め、社会資本整備事業の円滑な推進の一翼に寄与することを目的とし活動して参ります。